フランス大変

http://news.goo.ne.jp/news/kyodo/kokusai/20060328/20060328a3860.html?fr=rk
http://news.goo.ne.jp/news/asahi/kokusai/20060317/K2006031701140.html?C=S
http://news.goo.ne.jp/news/sankei/kokusai/20060328/m20060328013.html?C=S

フランスはなんかこんなことがあって大変なことになってるらしい。「初期雇用契約」という若年者雇用促進政策をめぐって、それの成立に意欲を見せる国側と労働団体・学生団体が対立してるんだとか。
で、その「初期雇用契約」というのがどういうものかというと、「26歳以下の者が雇用された場合、最初の二年間は職業訓練などを比較的自由に(勤務時間内であっても)受けられるようにするかわり、雇用者は理由を明示することなく解雇出来る」ようになるものらしい。なんでもフランスではまだ終身雇用が当たり前で、しかも一旦雇った人を解雇するには多くのコストがかかってしまので、故にあまり人を雇いたがらない「雇いしぶり」をするところが多いらしい。
今や「終身雇用」という言葉が絶滅に近い状態な日本に住んでる漏れでも、さすがに「最初の二年は自由に解雇できる(被雇用者からすれば『される可能性がある』)」と言われると抵抗感はある。前職をたった2週間でクビ同然でやめた経験があるからなおさらだ。

…が、「少なくとも二年間は無条件でクビになる可能性がある」という点に着目するととんでもねぇシステムに思えるけれど、「その間は勤務時間内でも職業訓練とかが受けられる」という点はなかなか魅力的なような気がする。そもそも二年間は無条件でクビにされる「かもしれない」けれど、「必ずしも」クビになるわけじゃないし、そこらへんはやってみなけりゃわからないかもしれない。確かにクビにされるかもしれない不安はあるけれど、その期間をキャリアアップに費やせるんだとしたら普通に雇われるよりもある面においてはいいんじゃないかなぁと感じるところはある。それに入ったはいいもののマッチしてなかったらどうせ辞めてしまうわけだし、そういうトライアンドエラーがしやすくなるというのはいいんじゃないかなぁ。というか考え方によっては「紹介予定派遣」(一定期間派遣社員として働いた後で、会社側と合意に至れば正社員になれるみたいなシステム)とかに近いのかも。

あながち一方的に悪いシステムでもないみたいだけど、だとしても「二年間は無条件でクビにされる可能性が」というのは結構大きいマイナスポイントなんじゃないだろうか。もうちょっと段階的に採用してくという方法はないもんなんだろうか。でも政治的な絡みもあるらしいし…
でもなんかこの騒動って日本の何かを思い出すなぁ。去年の夏あたりにも似たようなことがあったような。

ちなみに冒頭でリンクした各社の記事だけど、朝日は「二年間は無条件で解雇」を強く前面に出していて、職業訓練云々という点には触れていない。何でなのかについてはあえて触れないけれど、だからといって産経の記事の方がバランスがいいとは思えない。

というか新聞の記事だけだといまいちよく分からなかったので、こんなところを参考にしてみました。
フランス CPE(初期雇用契約法)vol.5 : 「パリ Paris」 カメラマン都筑 清の写真ブログ
http://blog.goo.ne.jp/habayasu/e/c7d43c50bf854a0c78896d97d9f6e674
ジャーナリズムからちょっと離れた人たちによるかみ砕いた説明や意見が参照できるというのがブログ以降の便利なところ。でもやっぱり一次情報に当たらないと変な方に流されるような気がする。そもそもその一次情報がどれほど当てになるかも問題だけれど。