「深夜です!かけ間違えのないように」

今年の水曜どうでしょう新作もいよいよ最終夜。「テレビの常識を覆す放送」の続きです。前回も相当面白かったけど、今回はそれ以上に笑いの密度が高く先週に引き続き、というかそれ以上の傑作になりました。見どころ(と言っていいのかどうかナゾですが)いっぱいです。
そして最後は一転してどうでしょうにあるまじき美しいシーンが。ベトナムでは感動するというよりは呆気にとられた*1という感じでしたが、今回は何故か感動してしまいました。エンディングはちょっと取って付けた感があったけれど(笑)。


というわけで、今年の新作は期待した以上の面白さとなりました。
未放送or放送途中の地域の方は期待しても損しないんじゃないかと思います。


では後半はいつもの面白かったセリフと今回の総括をば。今週は特にネタバレ注意です。



セリフ

  • 「過酷ではありますがこれしかし画はゆるい!
  • 「おっと!流れ星を見たぞ大泉洋! 短い間に『金が欲しい!』と心で願った大泉洋であります」
  • 「まさかコンクリーに寝かせられるとは思っていなかった」
  • 「油断したなぁ『布団で寝たい』と願えばよかった」
  • 「ただもう、ウチのスタイリストはもうすでにマジ寝に…」「ピン!ピンに伸びて寝ております」「女性での宿泊者は初めてじゃないですか?」
    • 「これ、朝まで寝てたら…スタイリスト小松はこれ轢かれますよ」「観客席でのマジ寝
  • 「福屋プロデューサーといえばね…『24』にハマりまして、3日間でシーズン3まで全部見たという
    • 「着信音はもちろんCTU(テロ対策室)。しかしその携帯も今日壊れてしまいました!
  • 「今 ちょっと意識が飛んでましたね」
    • 「なんか足まで揺れましたよね今」「全身の神経が過敏に反応しましたよね今」
  • 「引けば上げてるだけじゃないか!」「布団で寝かしてやってくれー!」
  • 「えっヘン!」「おっと!くしゃみだ!」「風邪か?
    • 「おっと!上着を取り出したぞ」「おっと寝冷えだ
      • 「観客席から悲鳴が聞こえております。彼だけは歳が違うじゃないかーッ!
  • 「うれしーぐらい寝かせろーッ」「カメラなんか据え置きじゃねぇーかぁ!」「ライトぐらい藤村が点けろー!」
  • 「戦いにはいると電気消えちゃうてのが…」「なんとも矛盾を抱えた企画だったなぁ」
  • あせもできちゃった
  • 小っちぇなぁおい!
  • 「勝った負けたじゃなくって どれだけ楽しむか?」
  • 「じつに!壮絶だったと!」「キビシイです!」
  • 「なんでいんだよロビンソン?…エンディングだろここ!」

総括
(ここから先ネタバレ。見たい方は以下を選択)



総括というよりは感想になってしまいそうだけど、全回見たあとの心境としては、今回の企画ほど「どうでしょうを好きでいてよかった」と強く感じた企画はなかったような気がする。先週も書いたとおりどうでしょうが一つの到達点に登り詰める(?)、というある意味歴史的な現場に爆笑しながら立ち会うことが出来てよかったと心から思う。
正直に言うと、公式サイトの日記で藤村Dが繰り返していた「絶対面白くなってくる」という言葉を途中まで信じられなかった。確かに普通かそれ以上に面白いと思ったけれど、今以上面白くなるような様子が、あるいは全回のジャングルリベンジの「大泉さんのうんこ事件」のような面白くなる要素がなかなか見えてこなかったからだ。企画の性質が似ている釣りバカや屋久島(これも釣りバカだけど)みたいにユルくユルくいくんじゃないかと思ってた。
が…基本的にはダラダラと夜釣りを続けるだけというユルい状況ではあるものの、あまりのダラダラさ加減に出演者全員が「寝釣り」やしまいには「マジ寝」をしだしてしまうという企画の続行が危ぶまれそうな状態で、それどころか照明が点けられないためほとんど何も撮れないというもはや番組の成立自体が危ない事態にまでなってしまう。そしてそれがどうでしょうのある部分のエキスを多分に含んだものになろうとは。
熱心な藩士になったのがDVD第2弾発売以降のことなのであまり詳しいことまでは云々できないけれど、7・8夜の「まともな照明もない中で繰り広げられるトーク」というのは「トーク主体になって以降の(あるいはタレントをまともに撮らないことが多くなって以降の)どうでしょう」の一つの進化形であると言えるんじゃないだろうか。
移動(は一応してるけれど)することもなく、まともな画すら撮れず、そんな悪条件の中でもタレントとデレクターのトークだけで番組が成り立ってしまう…というかその方が面白くなってしまうという不思議。いや、常に自ら悪条件の中に飛び込む(あるいは投げ込まれる)ことで成り立つ番組だからこそのことだろうし、それどころか「ほとんどの時間誰も見えない」というテレビ的には最悪な状態が、どうでしょうが持つある種の面白さの純度を高めたのではないか。そう思えてならない。
ここまでなんかやたらと理屈っぽい文章で書いてきたけれど、もっともっと簡単な言葉で言うと「画がないだけに異様に濃密なトークが楽しめる」ということです。(時々のライトオン以外は)ほとんどのシチュエーションをトークから表現&演出しないとならないためか、DVDの副音声でもそんなに濃くないぞというくらいのトークが繰り広げられてたりするのが凄い。DVDの副音声でも時々「ラジオとかカセットテープでもいいんじゃないのか」という話が冗談として出てくるけれど、ある意味ラジオ以上かと。
ほとんど7・8夜のことしか書いてないけど、それ以前の微妙なユルさを持った本編ももちろん面白いですよ。これまで見てきた企画の中では一番ユルいんじゃなかろうか。ユルいところもまたどうでしょうの面白さですしね。

*1:主に藤村Dの嗚咽っぷりに