ホワイトバンドとかLIVESTRONGとか

http://www.asvattha.net/soul/index.php?itemid=441

上記の記事を読んでそこはかとなく同意すると共にホワイトバンドとかについて調べてみようと思ったんだけれども、
http://d.hatena.ne.jp/plummet/20050904/p3
ここを見れば済みそうです。すなわち、

  • 貧困を根絶するため声が必要といってる割には商売っけが強い
  • かつ商売っけが強い点において他国のホワイトバンド運動とは多分に異なる様相を見せている
  • 収益もどっかの貧困のための基金に寄付されるわけでない
  • どんな団体(とりあえず賛同しているNGOなんだろうけど)にどうやって使われるのか不透明」というのが問題

という感じ。

以上の通り日本におけるホワイトバンド運動の問題点は「他国の同じには見られない商売っけ」及び「収益の使途不明っぷり」ということらしい。
漏れもとある書店のレジ側にホワイトバンドが置いてあるのを見たことがあって、「あるもの」に似てるように思ったので「お、買っちゃおうかな」と思いますた。結局買いませんでしたが。

ホワイトバンドLIVESTRONG

で、ホワイトバンドを見て思い出した「あるもの」とはコレ。

Simple Healthy Living | Livestrong.com
日本語で説明してるとこ
ガンに冒されつつツール・ド・フランスを7連覇したランス・アームストロングが設立した財団が、寄付金を募るために販売している「LIVESTRONG」(リブストロング)と書かれた黄色いバンドで、売り上げの全てが彼の(ガン患者やガン研究の支援を行う)財団に寄付されるというもの。自分でもよく知らないけれど、どこかで見てものすごく印象に残ってますた。
漏れもホワイトバンドを見たときにはこの黄色いバンドを思い出し、「あれの他にもこういうチャリティがあるんだなぁ」と思った、というか思いこんでますた。とりあえず日本の公式を見て「あぁ違うんだなぁ」というのは恥ずかしながら今日だったり。

日本のホワイトバンド運動がわざわざ中国で作らせてまでシリコンのホワイトバンドを使って活動するのは、多分リブストロングの影響がある、というかそれをモデルにしてるんだと思う。でも同じくホワイトバンドを使ってるONUhttp://www.one.org/index.aspx)やMake Poverty History(以下MPH、http://www.makepovertyhistory.org/)があるからそっちが元なのかも(あるいはONEやMPHがリブストロングをモデルにしてホワイトバンドを売ってるか、あるいは逆か)。ちなみにONEもホワイトバンドの収益を寄付でなく活動資金にしてるらしい(値段は日本の1/3)。ONE・MPHのwebサイトと日本のホワイトバンド公式を比べてみると、ONEでは日本のホワイトバンド運動ほどホワイトバンドを積極的に押し出してないような雰囲気。確かにtop画像はおもいっくそホワイトバンドだしホワイトバンドを付けた人の写真もちょこちょこ出てくるけれど、「まずはホワイトバンドを身につけましょう」な日本公式とはちょっと違う雰囲気。MPHはホワイトバンドの説明についてはONEよりちょっと不十分感があるけれど、それでもホワイトバンドを全面的に打ち出してるワケじゃない感じ。ONE・MPHともにtopは活動報告やメッセージ、参加の呼びかけなど文字情報が多く、それらと比較すると日本のサイトはホワイトバンドの宣伝サイトっぽく見えてしまうちなみにMPHホワイトバンドはいろいろ種類があって、バングラディッシュ製やモーリシャス製(多分手作り)の布製のがあったり、日本と同じシリコン製バンドでも英国(MPHの地元?)のがあったり日本と同じ中国製や台湾製があったりしてます。

想定の違いが今日もモーニングコーヒーをすする

とりあえず感じたのは、日本のホワイトバンド運動は黄色いリストバンドを使うアームストロング財団のやり方からも、もしかしたら同じホワイトバンドを使ってるONEやMPHのやり方からも違うものに変質してしまってるかもしれないということですた。ONEやMPHにおけるホワイトバンドの位置づけってのははっきりとは分からないけれど、日本みたいに過剰に前面に打ち出してる感じはしないからなぁ。日本の場合は「まずホワイトバンドありき」な感じだし。

リブストロングの場合黄色いバンドに払った金がほぼそのままガンと闘う人々のために使われる、つまり「黄色いバンドを買ったことが、買う側・買わせる側両方の想定した目的に直結する」*1ことが明確になっている(だから活動の象徴として前面に出せる)のに対して、ホワイトバンドの場合は前面に出してみたはいいものの、収益の使途が不透明で「ホワイトバンドを買うことが交わせる側の想定した目的には直結するけど買う側の想定した目的に直結してない」罠。買わせる側の想定した目的、すなわち貧困の根絶に向けた運動を知らしめる(ついでに活動資金を得る?)は果たされるものの、(よく知らないで)買う側は漏れがしたような「ホワイトバンドを買うと売り上げが貧困にあえぐ人々のために使われる」という思いこみをしてしまうわけで。いくら「これは意思表示のためのものです」とか「直接寄付されるのではなく、活動のために云々」とwebとかで断っても、こういう売り方をする限り「コレを買うことが貧困撲滅に直接繋がる」と思いこむ人はいくらでも出てくると思います*2

買う側の想定と買わせる側の想定が異なるという点についてホワイトバンド活動側はどう考えてるんでしょうか。とりあえずwebでは「寄付ではない」としてるけれど、店頭や商品にもそういう説明はあるんでしょうか。実物を手に取ったことがないから分からないけれど。

100万人のホワイトバンドナイト

話は変わるけれどホワイトバンド運動ってのは本来的には「100万人のキャンドルナイト」みたいな感じの活動なんじゃないかと思ったり。参加することで直接どうなるというものではないけれど、意思表示や現状認識の助けになるというレベルの活動とか。だから実際に世界の貧困とそれを生み出す状況が云々という説明よりもファッションとしてのホワイトバンドが前面に出てきてるのかもしれませんな。ヲサレだけどホワイトバンドが伝えたいはずの貧困問題についてはあまり解説されてないサイトも「サヨの詐欺行為の隠れ蓑」呼ばわりされる理由の一つかも知れません。

いずれにしても、漏れはLIVESTRONGバンドの方が欲しいなぁ。といった具合に長文を書くとやっぱりオチがなk(ry


(参考)

オックスファムジャパン、、ホワイトバンド販売を取りやめる
日本版ホワイトバンド(***)の取り扱いをやめたのは、注文が多すぎるという問題の他に日本版の運動に違和感を感じたからではないかと邪推。ちなみにMPHホワイトバンド本家でもまだ販売中。

http://cio.seesaa.net/article/6585012.html
後半の強調されてる部分には同意。ただ市民活動云々という部分についてはどうかと思う。市民活動自体がうさんくさいんじゃなく、現状に置いて市民活動をする大体の人が(どういうわけだか)うさんくさいだけなんじゃないかと思ってみるのだけれど。

http://fujisawa.bblog.jp/entry/224883/
NGOの活動資金になるんなら、どういう形で使われたかをプレゼンして各参加NGOの売り込みとして使えればいいんじゃないかという話。諸NGOの存在価値判断材料としても意味があるかも知れないし投資みたいで面白くなりそうな気も。

*1:目的の明確さなどについては確かに日本のホワイトバンドよりは安心できるけれど、もちろんアームストロング財団が完全に信頼できるところだということではない。アームストロング財団にケチをつけるわけではないですがそういう可能性もあるということで…

*2:ちなみに漏れの場合本屋のレジ横という「本を買うついでに手に取りやすいけど、それゆえにどういう性質の商品なのか判別するのがちょっと難しい」場所にあったので分からなかったわけです。言い訳じみてますが