マルコヴィッチの穴

見終わったときはそれこそ「うわぁ何だったんだぁ…」って感じですたが、あとで頭の中で整理してみて納得。多分この話を一言で言えば「おしゃかさまの手の中で踊らされてた孫悟空の話」ってことになりますかね。主人公(あやつり人形師)はあの手この手で状況をあやつってついにはアレでさえあやつることに成功しすっかり何もかもを思い通りに操れるようになったかと思いきや、現実はカミさん(♀)とカミさんの不倫相手(♀)にいいようにあやつられていたという始末、ということなのではないかと。でもラストの主人公はどういう事になってんでしょうかね…何となく両方にもとれるような気がします。でもやっぱり「身動きがとれない」んでしょうかね。
主人公が失敗してカミさんと不倫相手が成功したのは何でか? それは多分主人公が「コントロール」を指向してたのに対してカミさん達が「コミュニケーション」を指向してたからなんじゃないかと思います。カミさん達はマルコヴィッチを「コミュニケーションの媒介者」として使うことで仲を深めていったけれども、主人公はマルコヴィッチを「状況をコントロールする道具」として使ったことで今まで共有財産だったマルコヴィッチを支配してしまい反感を買ってしまった、ということだと漏れは思ってるんですが…
とまあ見た人にしか分からない(あるいは見た人にすら分からない)ことを書いてみますたが、何というか面白いですねー。初めの2〜30分くらいがなんだかモンティパイソンみたいです。7と1/2階という存在自体がおかしすぎ。アクセス方法もすごければ、7と1/2階がなぜ存在してるかを解説した映画なんてものがわざわざ存在してるのもバカすぎていいし、意志の疎通が難しい「言語障害学者」の受付と猥談社長のコンビも非常にヘンでよろしいです。でもこの映画ってマルコヴィッチを除くと誰一人としてフツーの人間が出てこないなぁ…主人公のカミさんもなんであんなに動物を飼ってんだかナゾだし。主人公だって不倫相手の人形を夜な夜な作って自分そっくりな人形と逢い引きさせてるし(w