丸天井にあの頃の星空〜(旅じゃないけど)青少年科学館のイブニングプラネタリウム〜

気づいたら二週間近く更新してなかった(;´Д`)
というわけで久々の更新は今日の仕事帰りに逝った、札幌の青少年科学館の「イブニングプラネタリウム」について。先月の末にもあってすごく気になってたんだけど金が無くて逝けず、今月やっと逝ったという…なんだか前書いた高台公園と同じパターンな罠。

初めての○○、夜の○○

その「イブニングプラネタリウム」というのをやってる時間は、その名の通り夜の7時半くらいから8時半くらいまで。通常であれば青少年科学館はバリバリ閉まってる時間なんですが、(今夜の解説の「ヒゲのおじさん」曰く)「青少年科学館のロケーションが札幌の東の端っこにあるため、普段昼間に逝く機会がない人のために」こんな風に夜にプラネタリウムだけ開けて流してるんだそうで。

自分は青少年科学館のわりと近くに住んでるんですけど、実はなかなか逝く機会というのがなかったりします。昔は宇宙モノや科学モノが好きで北網圏文化センター*1に逝く時はウキウキしまくってた漏れも、札幌に来てからは1回か2回しか逝ってません。歳が歳なので当然といえば当然なのかも知れませんが…
そして実は札幌の青少年科学館のプラネタリウムはこれがはじめてだったりします。北網圏文化センターのはもちろん、釧路の青少年科学館や旭川の青少年科学館*2のは観たことがあって、ずっと札幌の青少年科学館のプラネタリウムも観たい観たいと思ってたんですけれども、なんとなく逝くチャンスがなくズルズルと…という感じでした。さらに無職でヒマな時期に逝ってみようかなぁと思った矢先に改修工事に入ったり。

というワケで、グッタリ気味な仕事帰りに大人の雰囲気を感じさせるイブニングプラネタリウムを観に青少年科学館に訪れてみたんですが…以外にもけっこう10代から20代前半の人が多い感じでした。あとは家族連れ(赤ん坊連れの人までいたり)もちらほら。確かに夜っつっても7時8時ですしねぇ。

見上げればそこに道南でみた星空

入場してから10分後くらいにプラネタリウムが始まったんですけど、今回は始まってから星空が展開されるまでがえらい長かったです。普通だったら(というか北網圏文化センターで観たプラネタリウムの記憶では)始まったらわりとすぐ日没になって星空になるような感じっぽそうなんですが、解説の「(自称)ヒゲのおじさん」は日没までにちょこちょことプラネタリウムに投影されている時間を止めてました。
というのもプラネタリウムには月ごとにミニテーマがあって、今のは「ミッドナイト・サン」(夏至近くになると北極付近で一日中日没が訪れなくなること)を取り扱ってるんだとか。でもプラネタリウムに投影された夕焼けもなかなかきれいで「ええい日没はいい!星空を(ry」という風にはなかなかなりませんですた。
ここら辺の話で面白かったのは、

  • ミッドナイト・サンと白夜は基本的に違う(ミッドナイトサンはずっと地平線の下に沈むことはないが、白夜は一度沈む。でも完全に沈むわけでなく浅く沈むため夜なのに明るい)
  • 夏至は昼の長さが一年で一番長くなるが、実は日の出が一番早い日や日没が一番遅い日は夏至ではなくその前後に訪れる(太陽の通り道・黄道と天球の赤道の角度が異なるから)


太陽やその近辺(日没近くに現れる惑星とか)の話が終わるとようやっとプラネタリウム内に日没が訪れました。夕闇の青みが抜けてゆき、空がだんだん暗さを増してゆくと…懐かしい風景が目の前に広がりました。


それは大学1年の頃だったか2年の頃だったかのとき、道南のどこかの港で観た星空でした。
大学でわけの分からない先生やってたわけの分からないサークルやわけの分からない授業に関わっていて、その都合で函館の映画祭に逝った時のこと。
先生とその家族(奥様と1歳くらいの息子さん)の車に同乗して函館に向かってたんですが、途中で奥様が息子さんの授乳やおしめ換えをするのにどこかに止めざるを得なくなり、通りがかった港で車を止めることになりました。
それで(授乳中男二人が同じ車内にいるわけにもいかないので)二人して車外にでたところ、空には札幌では絶対に有り得ないくらいの、おなかいっぱいになりそうな数の星が瞬いていました。港のまわりには民家も街灯もなく、たまに車が通るくらい。月すらも出ていなくて、本当に星がこぼれ落ちてきそうな密度でそこにありました。目をこらさなくても、天の川が夜空を横切っているのがはっきり見えました。恐らく天の川というものをあれほどはっきりと認識出来たのはあれが最初で最後なような気がします。


プラネタリウムの丸天井に映し出されたのは、季節こそ全く違う(函館に逝ったのは12月くらい)けれど、あのときの「いろんな光をちりばめた星空」そのものでした。解説のおじさんがいわゆる「光害」の話をしていましたが、普段言われてもピンとこない光害の話もさすがにあの頃に似た星空の下ではひどく説得力のある話に感じられました。
ちなみに星空のパートで面白かったのはこんな話。

  • 蠍座のアンタレスの語源は「アンチ=アレス」。アレスというのは火星のことで、アンタレスも火星も赤いため互いに競っているように見える。それで「火星に対抗するもの」、「アンチ=アレス」が短縮されて「アンタレス」になったとか。ちなみにアンタレスと呼ばれる前の名前は「コルスコルピオ」(サソリの心臓という意味とか)
  • 北極星はそれほど明るくない
  • 北極星から地平線までの角度は観測地の北緯に等しい
  • 旧暦には閏月というものがあり、今年は旧暦で七月と閏七月があるため七夕が二回ある。ということは織姫と彦星が再会するチャンスが今年は二回もある
  • 夏の大三角を見定めるには握り拳を使うが、大人の握り拳でも子供の握り拳でも同じように使える(具体的にどう握り拳を使うのかは失念)

プラネタリウムまる見え!系外惑星特捜部

最後の15分間は「オート番組」、いわゆる解説の人の解説でなくテープによるナレーションつきのプログラム。テーマは「太陽系以外の恒星系にある惑星(系外惑星)を、人はどう探してきたか」というお話でした。
実は密かに楽しみにしてたのがこのパートだったりしました。さっきも書いたプラネタリウムの改修でプラネタリウム全天に映像が映写できるようになったということで、一度IMAXイノセンスにこっぴどくやられた「隠れ巨大映像フェチ」な漏れとしては興味津々なところでした。
映像的には期待を決して裏切らないもので、目の前に広がる半球形のスクリーンをどどぉーんと横切る原始の惑星や太陽系全景、最後の地球軌道上の風景なんかはかなり良かったですよ。多分ヘタな立体映像より迫力があるかと思います。密かにグリーンダイバーズが観たくなりましたぞ。

ただ…一つものすごく気になるところがありますた。いや別にいい悪いという話じゃないんですが、ナレーターの人が「世界まる見えテレビ特捜部」でよくナレーションをやってる人(広中さん)なので観てる間中「まる見え」が脳裏から離れませんでした。いつ「まる見え」のノリになるかとヒヤヒヤしたりしなかったり(半分ウソ。

*1:北見にある科学館/博物館。青少年科学館と同じようにプラネタリウム天文台があったりする。ちなみにイームズの「Power of Ten」を知ったのは北網圏文化センターのビデオ展示だったりする

*2:異常なほどちっさいプラネタリウムだった思い出が